ネパール料理事始め

 ネパール料理に最初にお目にかかったのは、もちろん初めてネパールへ行ったときです。宿泊したホテルや、初めてお目にかかったナラヤン シュレスタさんのお宅で、いろいろな料理をご馳走になったのでしたが、はっきり言いますと無我夢中で、料理の名前や味が良くわからないうちに旅行が終わってしまっていました。
 そのときにもらってきたスパイスを使って、インドカレーの作り方の本を頼りにそれらしいものを何回か作ってみましたが、それ以上の発展はありませんでした。
 ネパール料理にのめりこんでいったきっかけは、93年の信州博覧会です。会場の西北の松林に快適別荘村というログハウスがいくつか建てられ、そのひとつに森の料理館というのができるのだそうです。そこでは毎日日替わりで世界の料理や郷土料理を紹介したり、試食もしたりしたい、併せてその国の紹介もして欲しい、という話が持ち込まれました。細かいいきさつや、当日のことは省きますが、ネパール料理に夢中になってしまったのはここからです。
 3月、必要なスパイスを購入したり、展示資料収集のため、10日ほどネパールへ行きました。5月、ナラヤンさんの娘さんたちが来日し、松本では私の家に滞在していたので、仲間たちで料理を教わったりすることができたのは幸いでした。特に姉のプラヴィナを料理が得意で私の料理の基本は彼女から教わったものです。
 その後、ネパールへ行ってホテルやレストラン、バッティなどでいろいろな人が作ったネパール料理を食べる機会がありましたが、ナラヤンさんの家の料理の味に勝る味はありませんでした。教わるときはそんなことを考えなかったのですが、食道楽のネワール族の中でも、とりわけおいしくて贅沢な料理を最初に教わってしまったわけでした。
 その後、ポカラのホテルでタカリ族のソバを使った料理をご馳走になったり、日本へ働きに来たシェルパ族の若い人たちkからも教わったりして多少幅が広くなったし、自分で適当に走り出してしまったりしていますが、基本はネワール族の料理から出発しているのです。
 それと、私と一緒に作ったり味を見たりしながら支えてくれている仲間たちのことを忘れてはならないと思います。ここに改めて感謝を申し上げます。
 以下は、習い覚えた(適当にアレンジした)私のネパール料理のメモです。